まちなかの本の森 

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須賀敦子が歩いた道

Webであるレビューを見つけました。

「バブル期の終わりの頃、須賀敦子さんは『ミラノ 霧の風景』をもって
彗星のように私たちの前に現れた。
しかし、61歳のデビューから8年後に彼女はあわただしく去っていった。
生前に出た本はわずかに5冊。
しかし、どれもが深い思索と繊細な抒情に満ちて
端正な日本語で書かれた作品ばかりである。
エッセイでありながら、まるで小説を読んだような陰影の深い読後感を残したのだった。」

須賀敦子のプロフィールはまさにこのレビューに尽きるのではないでしょうか。
須賀はイタリア語と日本語を自在に操る知的な翻訳者である一方、
「そのために自分が生まれてきたと思える生き方」を徹底的に探し続けた人でもありました。

60代から発表し続けた随筆は、しばしば「静謐な」「美しい旋律」「懐かしさ」「孤独」
という言葉で形容され、イタリアで出会った人々の喜びや悲しみ、そして自身の生き方を
織り交ぜながら異国の風景を描きだしています。
また同時にそこには、普遍的な人間の姿、生と死をめぐる深い思いが刻まれています。
そんな須賀が翻訳したウンベルト・サバという詩人の詩をひとつ、ご紹介しましょう。

ミラノ

石と霧のあいだで、ぼくは
休暇を愉しむ。大聖堂の
広場に来てほっとする。星の
かわりに
夜ごと、ことばに灯がともる。

生きることほど、
人生の疲れを癒してくれるものは、ない。


今回、図書情報室での須賀敦子の特集は、随筆や書評、イタリア文学の翻訳本、
そして彼女が歩いたイタリアの道を旅できるような美しい写真などを集めてみました。
須賀敦子が歩いた道を、辿ってみませんか。

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