まちなかの本の森 

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『サプリ』をどうぞ。

 先日新しく入ったコミック『サプリ』(おかざき真里 祥伝社 1~10巻)をご紹介します。美しい表紙の全10巻、一気に読んでしまいました。

 主人公・藤井ミナミは広告代理店勤務の27歳。仕事はCM制作。企画に打ちあわせに現場にと、昼も夜もない多忙な生活。仕事漬けの果てに、7年付き合った彼氏と破局するものの、そこから社内外の人々と親しく付き合うようになり、新しい恋や「戦友」と呼べる存在を見出していく物語です。

 この主人公、次から次へ、とにかくよく働き、ペースを緩めることがありません。忙しくなるほど、文句を言うどころか「仕事、ありがとう」と、私生活のモヤモヤをひとまず考えないようにさせてくれる仕事という存在に感謝の気持ちすらおぼえます。

 仕事に溺れるようなところもあって、働き方そのものはあんまり真似できないな、と感じます。でも、そんな「仕事あっての私」をひたむきに生きるミナミが、人をその人の仕事ごと愛していくところは、いいな、と思います。
 恋人が全てを賭けて仕事に向き合おうとする姿勢を理解することも、相手の意思や行動に引きずられずに自分の道を選ぶことも、ミナミの場合、仕事に打ち込む自分自身をよく知っているからできたことであり、また自活できるだけの経済力があるから可能になったことなんだ、と深く納得させられます。
 ああ、「自活」や「自立」ってそういうことか、とこの作品から一つの定義をイメージすることもできるかもしれません。

 同時に、ミナミと恋人の関係を、いいじゃない! と思うのは、「仕事をしている者どうし」として対等に向き合う男女の姿が、特に恋愛・結婚が絡むと、この国ではまだまだ普通ではないと感じているからだろうか、という問いも湧いてくるのですが…。

 「働く女子」の一形態として第一線を張るミナミに、作者はどんな幸せを用意し、またしなかったか、どんな試練を与え、どう乗り越えさせたか、ぜひ最後まで読んで確かめていただきたいな、と思います。厳しくも温かいメッセージを、きっと受け取れますよ。

 コミックならではの部分では、働く女性たちの足首(アキレス腱)の描写に注目。かっこいいです。

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「やんちゃっ子の絵本」が入りました!

 「やんちゃっ子の絵本」は、こぐまさん、ぶたくまさん、うさぎさん、とりさん、ねこさんたちのたのしい生活の1コマを描く絵本シリーズです。
 『だれのズボン?』、『だれがきめるの?』、『だれのおばあちゃん?』に続いて、今回、『だれのちがでた?』、『だれがおこりんぼう?』、『だれがいなくなったの?』の3冊が入りました。

 シュールなイラストは、子ども向けの絵本の、毒のないかわいらしい絵柄を見慣れた目には新鮮…いや、むしろ「衝撃!」かもしれません。でも、それがかえって幼児期の子どもたちの日常に起こる感情の起伏などを際立たせ、読む者を絵本の中にひきこんでいきます(今回の3冊は、やたらケガをしたり、迷子になったりするので、本気でハラハラさせられました)。

 ところで、登場する子どもたちはいずれも性別不詳です。
 こぐまさん、ぶたくまさん、うさぎさん、とりさん、ねこさん。それぞれが、個性ある一人ひとりとして描かれています。
 今回の『だれがおこりんぼう?』、『だれがいなくなったの?』では、こぐまさんが自分のことを「あたし」と言っていますが、日本語に翻訳するのに幼児の一人称の一つとして「あたし」が選ばれたのだろうと想像します。こぐまさんが女の子である必然はありません。
 この絵本に出会って、性別の情報はいつもどうしても必要なものではないと納得しました。

 子どもたちに大人気のシリーズだそうですが、大人にとってもとても魅力的な作品。ぜひ、一度手に取ってみてください。

「やんちゃっ子の絵本」E/ヴ/1~6 スティーナ・ヴィルセン/さく ヘレンハルメ美穂/訳 クレヨンハウス

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