まちなかの本の森 

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「怖がらなければ何ができる?」 ~『LEAN IN』より~

『LEAN IN』を読みました。今たいへん話題になっている本です。
どの部分を取り上げればいいかわからないぐらい、気づきが満載の1冊でした。
ひとつ取り上げるなら、ということで第1章のタイトルにもなっている「怖がらなければ何ができる?」にしてみました。

これは著者シェリル・サンドバーグ(米フェイスブック社の最高執行責任者)がオフィスに貼っているお気に入りの言葉だそうです。
このエピソードが教えてくれるのは、これだけ重要な地位についていて、影響力があり、パワフルだとされている人にも、怖れの感情があるということです。

私は、そしてきっと他の多くの人も、「怖い」ということでどれだけたくさんの、それも大切なものを諦めているだろうか、と思ったのです。
相手の反応が怖い、批判が怖い、怒られるのが怖い、失敗が怖い、未知のものが怖い、孤独が怖い、~と思われるのが怖い、自分より成功している人が怖い…。

こうした怖さのために、自分が心から望む生き方に必要なものを周りに対して「求めてみる」ことを、はじめから選択肢から外してしまうということが起こります。
特に女性の場合、積極的に前に出ることに対しては、男性よりも強い抵抗を伴います。
その理由のひとつとして、同じ成果をあげても女性であるというだけで嫌われやすいこと・・・これは単なるイメージではなく、ユニークな実験で裏付けられています(第3章「できる女は嫌われる」参照)。
こうしたジェンダーの視点での気づきもいっぱいです。

この本の一番のメッセージは、「一歩踏み出そう」(“Lean in”)です。
ただし著者は、現状を変えるために「無理してでも前に出ろ」とは決して言っていません。
そうではなく、実際に一歩踏み出してみると何が起こるのか――怖れていることが本当に起こるよりは、むしろその一歩のところに、見る価値のある景色が広がっている可能性のほうがずっと大きいということを、自分自身や知り合った人たちの体験による実例で見せてくれているように感じました。
そして、その「一歩」というのは、どんな人にとっても、今その人のいる場所の、目の前の一歩であっていいということ。
今の私を否定するようなメッセージを受け取ることは、最後までありませんでした。
心からお薦めできる1冊です。

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「やんちゃっ子の絵本」が入りました!

 「やんちゃっ子の絵本」は、こぐまさん、ぶたくまさん、うさぎさん、とりさん、ねこさんたちのたのしい生活の1コマを描く絵本シリーズです。
 『だれのズボン?』、『だれがきめるの?』、『だれのおばあちゃん?』に続いて、今回、『だれのちがでた?』、『だれがおこりんぼう?』、『だれがいなくなったの?』の3冊が入りました。

 シュールなイラストは、子ども向けの絵本の、毒のないかわいらしい絵柄を見慣れた目には新鮮…いや、むしろ「衝撃!」かもしれません。でも、それがかえって幼児期の子どもたちの日常に起こる感情の起伏などを際立たせ、読む者を絵本の中にひきこんでいきます(今回の3冊は、やたらケガをしたり、迷子になったりするので、本気でハラハラさせられました)。

 ところで、登場する子どもたちはいずれも性別不詳です。
 こぐまさん、ぶたくまさん、うさぎさん、とりさん、ねこさん。それぞれが、個性ある一人ひとりとして描かれています。
 今回の『だれがおこりんぼう?』、『だれがいなくなったの?』では、こぐまさんが自分のことを「あたし」と言っていますが、日本語に翻訳するのに幼児の一人称の一つとして「あたし」が選ばれたのだろうと想像します。こぐまさんが女の子である必然はありません。
 この絵本に出会って、性別の情報はいつもどうしても必要なものではないと納得しました。

 子どもたちに大人気のシリーズだそうですが、大人にとってもとても魅力的な作品。ぜひ、一度手に取ってみてください。

「やんちゃっ子の絵本」E/ヴ/1~6 スティーナ・ヴィルセン/さく ヘレンハルメ美穂/訳 クレヨンハウス

ここにも起業

 前回に続き、「起業」に関連してもう一冊ご紹介します。
『雪と珊瑚と』梨木香歩/著 角川書店 101/ナ 梨木香歩さんの最新刊です。

 どこか思いつめたような、でも、表情の読み取りにくい若い女性の顔。
 あたりに浮かぶ玉ねぎや花。
 そんな物静かで幻想的な表紙と、『雪と珊瑚と』というタイトルから、「起業」を一つの重要なファクターとして進んでいく物語を想像できるでしょうか?
 良い意味で「裏切られる」。―読書の醍醐味かもしれません。

 梨木作品の不思議な世界に引き込まれてしまう入口は、民家に貼られた「赤ちゃんお預かりします」という唐突な貼り紙です。ここに、「こうあるべき」にとらわれない、“本当に誰かの役に立つ起業”のヒントがあるような気がします。

 起業に関心がある人はもちろん、子育てに悩む人、働くことや食べることについて、ゆっくりと噛みしめるように考える時間を持ちたいという人に、今おすすめの一冊です。
 それから、野菜や畑が好きな人にも、ぜひ。

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「働く」とは何だ?

 新着資料から気になったものをご紹介。

 一冊は、『あなたも社会起業家に! ―走る・生きる 十五のストーリー』油井文江/編著 ソーシャルビジネス研究会/取材 冨山房インターナショナル 55/ユ
 社会起業=ソーシャルビジネスとは、地域、子育て、キャリア開発、女性・障がい者・高齢者等の自立、保健・医療・福祉等々の、社会の「なんだかうまくいってない」ことに対して、「何かできないか、変えられないか」という気持ちを強く持った人たちが、それを事業の形にして取り組んでいるもの。著者は、社会起業家には女性がとても多いといいます。

 日本の女性の働き方の特徴に、「M字型曲線」があります。20代で社会に出て一旦就職するものの、30代を中心に結婚・育児のために離職し、その後再就職をすることから、労働力率のグラフがMの文字のように真ん中(30代)で大きく落ち込むのです。子育てを終えてもう一度働こうという40代、50代の女性たちが正規雇用で再就職することは困難で、パート・アルバイトといった補助的で不安定、低賃金の仕事を選ばざるを得ないのが大多数です。

 でも、そうではない生き方を模索する女性たちの中から、社会起業を志す人が増えてきたということです。ソーシャルビジネスは、社会問題の解決と、利益の追求(ビジネスの部分)とを兼ね備えた働き方の希求なのですね。

 女性の労働力を活かせていない日本の労働事情の副作用のようにも思えますが、それだけに、志を感じた時に、軽やかに行動に移せるだけの自由がより多く女性にあるということなのかもしれません。

 そしてもう一冊。
 『奥谷京子の夢起業塾 いざというときは女だ』奥谷京子/著 日本評論社 55/オ
WWBジャパン(女性のための世界銀行日本支部)代表の奥谷京子さんは、女性の起業家支援をされてきた方で、WWBジャパンの起業家セミナーから1,000人以上の女性起業家を輩出しています。
 本書では、ご自身の来歴や仕事の進め方なども披露し、読み物としても興味深く読めます。

 「起業」の文字が二冊並んで、女性の働き方についてちょっと考えてしまったのでした。

新着図書のお知らせ

 日曜日の新着図書から、1冊おすすめします。

『災害復興 東日本大震災後の日本社会の在り方を問う ~女性こそ主役に!』
日本弁護士連合会/編 日本加除出版 32/サ
 東日本大震災に限らず大きな災害が起きたとき、被災すること自体にはに男女の差はないはずなのに、なぜ「災害時の女性支援」を問題にしなくてはならないのかを、私たちはもっとわかりたいと思う。避難所、仮設、原発周辺地域、そこでの被災女性の直面する現実を、その時、被災地では何が起こっているのかを、私たちはあまりにも知らなさすぎる。マスメディアの報道では、一部分のことしか知り得ない、ということも肝に銘じたい。

『3・11複合被災』外岡 秀俊/著 岩波書店 65/ソ
『飯舘村は負けない』千葉 悦子/著 岩波書店 65/チ
『震災と情報』徳田 雄洋/著 岩波書店 122/ト などの他にも、今週の新着図書には計らずも震災、原発関係の図書が並びました。

新着以外にも、
『女たちの3・11』脱原発ナガノ・2011フォーラム/編 65/オ
『災害と女性 ~防災・復興に女性の参画を~ 資料集』ウィメンズネット・こうべ/編 32/サ も、ご利用ください。

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