まちなかの本の森 

どちらも“こうれい”の話題です。


平成28年版の高齢(こうれい)社会白書によると、
高齢者のいる世帯は全世帯の約半分、
「単独世帯」・「夫婦のみ世帯」が全体の過半数、
一人暮らし高齢者が増加傾向だそうです。
みなさんには「そう言われてみれば」という実感がありますか?

ともあれ、誰でもいつかは年をとり、一人で暮らしていく可能性は
十分にあります。そのとき、どうしたら充実した、自分らしい人生を
送っていられるのでしょうか。

今回はそんな疑問にヒントをくれる資料を
「おひとりさまと老い」と題し、特集しています。
「老い」を感じる方も、「まだまだ」という方にもお薦めしています。

そしてもうひとつ、お知らせです。
春、秋と毎年恒例(こうれい)となりました、京都アートフリーマーケット!
図書情報室では、フリマの期間中、保存期間切れの雑誌を
市民の皆様にお譲りしています。

開催期間は2015年月9月17日(土)・18日(日)・19日(祝)の3日間、
いずれも11:00~16:30までです。
お持ち帰りいただけるのは、期間中通して、お一人5冊まで。
雑誌が決まりましたら、図書カウンターへお持ちくださいね。

お譲りする雑誌の一部をご紹介します!
『anan』 ・ 『クロワッサン』 ・  『栄養と料理』 ・ 『芸術新潮』 ・『Leaf』
『暮らしの手帖』 ・『BRUTUS』 ・ 『月刊京都』 ・ 『週刊東洋経済』
『CREA』 ・ 『FIGARO japon』 ・ 『COURRiER JAPON』
『婦人公論』 ・『たまごクラブ』 ・ 『ELLEジャポン』 ・ 『ダ・ヴィンチ』 
『和楽』  ・ 『文藝春秋』 ・ 『キネマ旬報』 ・ 『サライ』 ・ 『うかたま』 
『いきいき』 ・『日経PC21』 ・ 『日経WOMAN』 ・ 『クーヨン』 
など、いろいろありますよ。

ぜひ立ち寄ってみてください。お待ちしています。

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戦争を知る 3人の女性、その生き方から 


自分自身が体験していないからこそ、良く知りたい、
知らなければいけないと思うのが、
戦争を生きた人々の生き方ではないでしょうか。

今回は、第二次世界大戦を生きた3人の女性、
映画監督で写真家のレニ・リーフェンシュタール
女優でありながらナチスと勇敢に戦ったマレーネ・ディートリヒ
そして15歳でナチス強制収容所で亡くなったアンネ・フランク
に注目し特集しています。

まず、レニ・リーフェンシュタールは
ベルリンオリンピックの記録映画『オリンピア』の監督として有名です。
またナチス党大会の記録映画『意志の勝利』は、
ナチスによる独裁を正当化し、国威を発揚させるプロパガンダだとして、
「ナチスの協力者」として批判され、戦後も断罪され続けました。
彼女はあの時代に、いったいどんなことを考えていたのでしょうか。

そしてマレーネ・ディートリヒ。
彼女はヒットラーやナチズムに反抗し、女優でありながら、
戦場の兵士を慰問するためヨーロッパの最前線に向かったそうです。
しかし、その後、アメリカの市民権を獲得し、祖国ドイツを去りました。

あるドイツ人は「いまの若いドイツ人がどれほどディートリヒを
知っているかわからないが、ディートリヒの名前を知っている人は、
ディートリヒときいただけで、ドイツの1世紀を思い出し、
現在ドイツ人として生きている自分のことを考え、
ディートリヒに、何か一言いいたくなるんじゃないですか」と
思慮深く答えたといいます。
(「わがマレーネ・ディートリヒ伝」鈴木明著より)

限りなく細い眉と、意志の強いまなざし、
「リリー・マルレーン」の歌声とその脚線美が特徴の美しい女優…。
戦争の真っただ中で何を考え、どのような生き方を選んだのか。
とても興味深いです。

そしてアンネ・フランクは良く知られていますね。
ナチスの迫害から逃れ、隠れ家に居た頃の日記が戦後、発表されました。
戦争と差別のない世界を願っていた一人の少女。
今回は、その思いが詰まった日記だけではなく、
アンネにまつわる関連本もご紹介しています。

連日の恐ろしい猛暑で「避難先」をお探しのみなさん、
涼し~い図書室でお待ちしています!

少女マンガの金字塔、40年ぶりの続編!


「少女マンガ界の神様」とも呼ばれ、
熱狂的なファンも多いマンガ家の萩尾望都さん。
1970年代に連載された代表作「ポーの一族」を
この7月、40年ぶりに新作続編として少女マンガ雑誌に書き下ろしました。

この「ポーの一族」は、少年の姿のまま永遠に生きる、
美しい吸血鬼(バンパネラ)の物語。
悲しい宿命を背負った二人の美少年、エドガーとアランらが
時空を超えて旅するさま、不老不死の哀しみなどが
繊細で美しい絵で描かれています。

ニュースによると、この少女雑誌は通常の1.5倍に当たる5万部を発行したのですが、
発売当日に完売や在庫僅かとなったりする書店が相次ぎ、
雑誌としては異例の増刷となったそうです。

またネットで「40年ぶりの続編」という情報が流れると、
「生きていてよかった」「母に伝えなくては」「母が泣いている」
といった声がTwitter上であふれたそうです。
お母さんが熱烈なファンだったんですね。

新聞でも「漫画雑誌の発売日が待ち遠しくてわくわくするなんて、
学生時代以来かもしれない」と編集委員が書くなど、
萩尾望都さんの作品の力を感じずにはいられません。

そしてこの「ポーの一族」のは、若いファンだけではなく、
異なる年齢層にも反応が多く、「大人の鑑賞にも耐えうる表現」と評価され、
少女マンガが広く認知されるに契機になった作品とも言われています。

8月からウィングス京都 図書情報室では、その萩尾望都さんの
マンガ、エッセイ、ムック本などを特集します。
クーラーの効いた静かな図書室で、萩尾ワールドにどっぷり浸れます!
ぜひ立ち寄ってくださいね。

「父になる」って、どういうこと?


2010年に「イクメン」という言葉が新語・流行語にノミネートされ、
続いて、職場の部下やスタッフの育児参加を応援する上司・管理職を
「イクボス」と名づけたりなど、父親をサポートする動きは、
徐々にですが広がっているように感じます。

でも、きっと一人ひとりの男性は、その中でも悩んだり、答えが見つからなかったり
ということが沢山あるのではないでしょうか。

そこで、今回は「父親」や「プレパパ」をキーワードに
日頃から図書情報室でコツコツ収集している、パパのお悩みに役立つ資料を
ご紹介しています!例えば、

仕事と家庭と育児、どうやったら楽しめるか欲張りなパパ向け
『新しいパパの働き方』、

主夫も主婦も「シュフ」はみんな「家事デザイナー」と命名!?主夫芸人が綴る
『主夫になってはじめてわかった主婦のこと』

イクメンのつもりが、父としても夫としても全く役割を果たせていなかったと
産後サポートビジネスを立ち上げたという著者が描く、
『産後が始まった!夫による、産後のリアル妻レポート』、

男性誌で妊娠・出産を描き話題となっているコミック「コウノドリ」の
モデルとなった産科医による
『ダンナのための妊娠出産読本』、

料理初心者でも安心のレシピ本
『パパがつくる産前産後のおいしいごはん』、

新聞記者のシングルファーザーが、育児を通して発見した新しい生き方
『父子家庭が男を救う』

昨年テレビでもドラマ化された、ミュージシャンである父親のお弁当エッセイ
『461個の弁当は、親父と息子の約束。』

などなど。
もちろん、友人やご家族にプレパパがいる方、楽しみもしんどさも
共に分かち合いたいという女性の方にもおすすめですよ!

火の娘 伊藤野枝


『村に火をつけ、白痴になれ』という強烈なタイトルの本が、
今年、出版されました。主人公は伊藤野枝(いとうのえ)。
どんな人物かご存知ですか?

大正12年9月1日に起こった関東大震災後の混乱に乗じ、ある虐殺事件が起こりました。
甘粕事件です。これは、憲兵大尉甘粕政彦とその部下が、
無政府主義、社会主義運動者で有名であったアナキスト大杉栄、
6歳の幼子を虐殺した事件であり、内縁の妻であった伊藤野枝もその犠牲者のひとりでした。

実は、野枝は28歳の若さで殺されるまで、
大正時代において、さまざまに注目される女性でした。
一つは、平塚らいてう主宰の雑誌「青鞜」の同人であり、「新しい女」として登場、
「貞操論争」「堕胎論争」「廃娼論争」という「性」にまつわる論争を次々と起こします。
また平塚から「青鞜」を引継、その幕を閉じた人物でもあります。

大杉栄と出会う前には、日本におけるダダイスト(既成の秩序や常識に対する、
否定、攻撃、破壊といった思想)の元祖である辻潤の妻であり、
その短い生涯で7人もの子を生んでいます。

作家瀬戸内寂聴は、「美は乱調にあり」で伊藤野枝の評伝を記し、
野枝の魅力をこう記しています。

「私が野枝に惹かれたのはその文学的才能や、
彼女の人間成長の目ざましい過程ではなく、
彼女のまきこまれた人生の数奇なドラマそのものであり、
そこに登場する人々の、それぞれの個性の人並み外れた
強烈さであり、その個性の錯綜がかなでる複雑乱調の
不協和音の交響楽の魅力であった」

28年の生涯を駆け抜けた伊藤野枝。一人の人間として、そして女性として
何と闘って生きたのか、何からの自由を求めていたのか、
その生きざまに出会ってみてください。