まちなかの本の森 

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2017年、『夢見つつ深く植えよ』


新年 明けましておめでとうございます。
いつもお読みいただき、ありがとううございます。
今年もウィングス京都 図書情報室をどうぞよろしくお願い申し上げます。

まずは防水改修工事に伴う図書情報室の閉室についてのお知らせです。

閉室期間:平成29年2月10日(金)~平成29年2月28日(火)

なお、閉室中は御返却のみお受けいたします。
御迷惑をお掛けいたしますが、御理解・御協力を賜りますようお願い申し上げます。

さて、2017年のおすすめ第1弾は、メイ・サートン特集です。
メイ・サートンは、ベルギー生まれのアメリカの詩人であり、作家。
1995年に83歳で亡くなっています。

1960年代後半に、小説『ミセス・スティーヴンスは人魚の歌を聞く』の中で、
当時タブーであった同性愛を描いたことから、
大学の職を追われ、出版予定の本も中止となりました。
失意の中、自分自身を見つめ直そうと未知の田舎に引越し、
自然と動物とともに生き始めます。

彼女の詩、小説も素晴らしいのですが、
なんと言ってもエッセイ、日記のもつ魅力は格別です。
『夢見つつ深く植えよ』なんて、タイトルだけでも味わい深い!

そして、彼女のエッセイに通底しているのは、「孤独」への鋭い感性。
でも寂寥や辛苦、孤立といったものとは異なります。
「ひとり」という静寂のもつ豊かさを楽しむ、「自分らしさ」を
保つことに心を砕く、そして「老い」に向き合う。
新鮮な空気を深く吸い込みたくなるような気分にさせてくれます。

代表作『独り居の日記』は、多くの女性作家が刺激を受けた1冊と紹介しています。
この機会にぜひ手にとってみてくださいね。

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今年の1冊!?


今年、爆発的な人気が出た、というわけではないけれど
新聞書評で取り上げられ、スタッフが気になっていた本たち。
この年末から、「書評でおすすめ 第1弾」としてご紹介しています。
挙げてみると…

●女性の働き方をめぐって、アクションを起こすために
『下層化する女たち 労働と家庭からの排除と貧困』 小杉 礼子 編著
『女性官僚という生き方』 村木 厚子 編
『「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか?』 中野 円佳 著

●定年という“終わり”を迎えた人の不安…。
その先には何があるのだろう
『終わった人』 内館 牧子 著

●望まない才能を授けられてしまった娘の、
家族の“継承”と母娘それぞれの成長を描く
『モッキンバードの娘たち』 海外文学コレクション ショーン・ステュアート 著

●1950年代、NYで大規模開発に異議を唱えた一人の女性、
その都市論を今こそ学ぼう
『常識の天才ジェイン・ジェイコブズ 「死と生」まちづくり物語』 G.ラング 著

●血縁って何だろうと立ち止まらせてくれる
『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』 古泉 智浩 著

●“突然の孫の死”に直面した方にすすめる、壇蜜が選ぶ1冊
『ぼくを探しに』 シルヴンスタイン 作
『ビッグ・オーとの出会い 続ぼくを探しに』 シルヴンスタイン 作

●在日女性詩人の先駆け、宗秋月(そうしゅうげつ)を味わう
『地に舟をこげ Vol.1 在日女性文学』
『地に舟をこげ Vol.4 在日女性文学』

もし気になる本があれば、ぜひ、手に取ってみてください。
年が明けて1月中も開催しています!

わたしは、”Allyアライ” です!


“アライ”という言葉、聞いたことがあるでしょうか。

ウィキペディアで調べてみると、
アライとは、「LGBTなどの当事者では無いが、LGBTなどの人々が
社会的に不利な立場に置かれていると感じ、ホモフォビア(同性愛、または
同性愛者に対する恐怖感・嫌悪感・拒絶・偏見など否定的な価値観を持つこと)や
ヘテロノーマティビティ(異性愛を標準と捉える価値観)に
対する解消活動や異議の表明を行っている支援者」だそう。
難しいでしょうか?

もう少し噛み砕いてみると、「LGBTを身近な存在として理解し、
味方になることができる人」を指していて、もともとはアライアンス
(Alliance=同盟とか連合、協調という意味)からきているそうです。

ある調査では、日本には13人に1人がLGBTなど性的少数者だと
言われています。あなたの身近にも、私の身近にもきっといるんです。

そこで、この12月からは、まだ出会っていないかもしれないし、
もう出会っているかもしれない、そんな彼ら、彼女たち(この呼び名でいいかしら?)の
味方になれるような特集をします。
自分の「当たり前」が誰かを傷つけているかもしれないとういことを、
感じてみる機会になればいいなと思います。

「男らしさ」と、再び「逃げ恥」!


「男らしさ」「男性学」といった“男性の生き方”を問う書籍や記事を
以前より、目にするようになりましたが、みなさんの周りではどうですか?

そこで、ここ最近の “男性の生き方”を語る書籍のタイトルをずらっと並べてみました。

「男がつらいよ」
「男という名の絶望」
「男子問題の時代?」
「男性問題から見る現代日本社会」
「とまどう男たち」
「不自由な男たち」
「「居場所」のない男、「時間」がない女」

何とも切ないネガティブワードのオンパレードです…。
そしてそこには男性の苦しさと同時に
個々の悩みがあることに気づかされます。

子育て中のパパが、仕事と家庭のバランスに悩む声、
長時間労働を受け入れざるを得ない人、
人間関係に悩み、出口が見つけだせない人
いろいろな年代の男性の生き方、働き方があり、そこには「男らしさ」といった
「ジェンダー」が深く関わっていることを教えてくれます。

ところで先日、このブログでもご紹介したドラマ&コミック「逃げ恥」で
主人公の津崎平匡さん演じる星野源さんが、ラジオでこんなことを話していたそうです。
とっても感激したので、ご紹介します。

第7話のラストで、みくり(女性)と津崎(男性)の距離がぐっと縮まり、
みくりから“深い関係になってもいい”と告白された津崎が、
「無理です」と逃げてしまうというシーン。
これに対し、視聴者から「男だったらこういうとき逃げちゃダメだ」との声が
たくさん寄せられたそうです。

それに対し星野さんは、
「それは『男ならこうすべき、女だったらこうあるべし』という
性別によるレッテル貼りであるし、この物語の登場人物たちは
そういうレッテル貼りにこそ苦しめられているのではないか」と指摘したそうです。
平匡さん、いや、星野さん、よく言ってくれました!!ありがとう!!

男性が男性ゆえ決めつけられて窮屈な思いや生きづらさを感じていることが
よく分かるお話だと思います。
そして、ネガティブに語られる “男性の生き方”も、
実は個々の問題と言うより、性別のイメージと社会の在り方が
密接に関わっていることを示しているなと思います。

上記でご紹介した書籍は、男性の「辛い」「しんどい」気持ちを
否定しないものばかり。むしろ、生き方を縛っている背景を説明し、
少し楽にさせてくれるものばかりです。
男性にも、もちろん女性も、ぜひ読んでみてほしいです。
ウィングス京都 図書情報室でお待ちしています。

「当たり前」を違う視点で見てみると…

みなさん、“女性史”という言葉、聞いたことがありますか?
先日、お亡くなりになった中世女性史研究の先駆者
脇田晴子さんはこう言っています。

「女性史の研究は、現代の女性の低い地位に鑑みて、
原始時代における男女平等社会や、歴史上の女性の地位の高さや力を、
顕彰(明らかにする)しようとする立場から
始まったといっても過言ではない」

例えば、「母性」というのは、”本来、女性に備わっている付加価値、
付加責任”と考えられている言葉。
しかし脇田さんは、「母性はかくあるべし」という建前が
時の支配権力によってどのように作られ
時代によってどのように変遷したのかを
文献史学、民俗学、文化人類学、考古学などの幅広い視角から
分析してこられました。

通説として流布している「当たり前」が「当たり前」ではない、
女性という視点からみた歴史研究の中で、それを示してきた脇田晴子さん。
「母性」だけではなく、「家族」の在り方、「家を守る」という概念も
時代によってさまざまに変わっていくことを教えてくれます。

そして脇田さんのその幅広い研究に通底しているのは、
何より、「過去を知ることで、未来への展望を持つため」という視点。
図書カウンター近くで特集をしています。ぜひご一読を!

没後60年の画家 マリー・ローランサンの特集も開催中です!


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